2019年に広島地検公判部の男性検事(当時29)が自死したことをめぐり、法務省が過重労働があったとして公務災害に認定したことが、遺族側への取材でわかった。遺族側が21年に認定申請していた。認定は9月22日付。
遺族側によると、男性は19年12月10日、広島市の自宅マンションで亡くなった。男性はこの約1週間前、「(上司から)机をたたきながら『司法修習生以下だ』と言われた」と話していた。男性の部屋には「もうたえられません」と書かれたノートが残されていた。男性は公判部で、月平均80時間以上の時間外労働をしていたという。
遺族側は「長時間労働の中で上司から強い叱責(しっせき)を受けていた」などと訴えていた。
法務省は時間外労働の状況や客観的な業務内容を踏まえて認定したが、上司の言動についての評価はなかったという。
遺族は12月4日、代理人を通じ、「法務省からは、叱責(しっせき)を受けたことに対する評価には立ち入っていないとの説明を受けた。このような対応で、本当に再発防止が期待できるのか、疑問といわざるを得ない」とのコメントを出した。(大野晴香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル